「転職するなら、とりあえず転職エージェントに登録した方がいいの?」
看護師や薬剤師、介護職などの転職では、転職エージェントを利用する人も少なくありません。
一方で、私は医療・福祉法人の人事・採用担当として10年以上働くなかで、応募したい職場が決まっているなら、まずは直接応募を検討してほしいと考えています。
とはいえ、すべての人に直接応募が向いているわけではありません。
仕事をしながら求人を探す時間がない人もいれば、どんな職場を選べばいいのか分からない人もいます。
そんなときは、転職エージェントをうまく使うことで転職活動を進めやすくなります。
この記事では採用担当者の立場から、
- 転職エージェントを使った方がいい人
- 直接応募との使い分け
- エージェントを利用するときの注意点
- 後悔しないための具体的な使い方
を解説します。
「直接応募か、転職エージェントか」の二択で考える必要はありません。
それぞれの特徴を理解して、自分に必要なところだけ利用するのがおすすめです。
結論|転職エージェントは「必要なときに使う」でいい
最初に結論からお伝えすると、転職活動を始めるからといって、必ず転職エージェントを利用する必要はありません。
私がおすすめしている基本的な考え方は、
自分で探せる求人は直接応募し、難しい部分だけ転職エージェントに頼る
という使い分けです。
たとえば、
- 働きたい病院や施設が決まっている
- 公式サイトに求人が掲載されている
- 自分で応募先と連絡を取れる
のであれば、まず直接応募を検討していいでしょう。
一方で、
- 希望に合う求人が見つからない
- 働きながら転職活動をする時間がない
- 初めての転職で何から始めればいいか分からない
- 条件交渉や日程調整を自分でするのが難しい
という場合は、転職エージェントを利用するメリットがあります。
大切なのは、「エージェントを使うか使わないか」ではなく、「何のために使うのか」を決めることです。
転職エージェントを使った方がいい3つのケース
1.自分だけでは希望する求人を見つけられない
求人サイトや病院・施設の採用ページを探しても、
「希望する条件の求人が見つからない」
ということがあります。
そんなときは、転職エージェントに希望条件を伝えて求人を探してもらう方法があります。
特に、
- 管理職など募集人数が少ないポジション
- 認定看護師・専門看護師など、専門性の高い人材を求める求人
- 勤務地や勤務時間など条件を絞って探している人
は、自分で探すだけでは候補が十分に見つからない場合があります。
転職エージェントを求人を探すための情報源のひとつとして利用するのは合理的です。
ただし、「非公開求人があるからエージェントの方が必ず良い求人を持っている」と考える必要はありません。
私が医療・福祉法人の採用に携わってきた範囲では、看護師・薬剤師・介護職など一般的な募集について、法人の採用サイトやハローワークなどでも同時に募集しているケースは珍しくありません。
まず自分でも探してみて、それでも見つからなければエージェントにも聞いてみる。
この順番で十分です。
2.働きながら転職活動をする時間がない
在職中の転職活動は思っている以上に大変です。
求人を探すだけでなく、
- 応募先との連絡
- 面接日程の調整
- 条件の確認
- 入職日の調整
なども必要になります。
日中に働いている人にとって、病院や施設の採用担当者と連絡できる時間が限られることもあるでしょう。
こうした調整を代わりにしてもらえるのは、転職エージェントを利用する大きなメリットです。
実際、私も採用担当として転職エージェントとやり取りをしていると、
「このあと仕事が終わった求職者の方と話します」
と夕方以降まで対応している担当者に出会うことがあります。
そのため、忙しい人ほど求人探しや日程調整を任せるために利用するという考え方はありだと思います。
3.初めての転職で何から始めればいいか分からない
初めて転職する人ほど、
「どんな求人を選べばいいの?」
「今の経験ならどれくらいの条件を目指せる?」
「履歴書や面接はこれで大丈夫?」
と迷うものです。
こうしたとき、第三者に相談できることも転職エージェントのメリットです。
ただし、担当者から言われたことをすべて正解だと思う必要はありません。
転職エージェントの意見も、転職先を決めるための材料のひとつとして聞くのがおすすめです。
人事から見る転職エージェントの注意点
便利なサービスですが、採用側から見ていると注意してほしいところもあります。
採用する病院・施設には紹介手数料がかかる
一般的な有料職業紹介では、採用が決まると病院や施設などの求人側が紹介会社へ手数料を支払います。
求職者本人は無料で利用できるサービスが多いため意識しにくいのですが、採用する法人側にはコストが発生しています。

エージェント経由だから不採用、直接応募だから採用、という単純な話ではありません。
最終的には経験や人物面、職場との相性などを含めて選考します。
ただ、同じくらい採用したい候補者で迷った場合、紹介手数料などの採用コストが判断材料のひとつになることはあります。
だから私は、応募したい職場がすでに決まっているのであれば、まず直接応募を検討することをおすすめしています。
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紹介された求人が「あなたにとって一番いい求人」とは限らない
転職エージェントから紹介された求人だからといって、その求人があなたにとって最適とは限りません。
紹介会社によって取引している法人も違いますし、担当者によって提案内容も変わります。
私も採用担当として、
「どうしてこの希望条件の人に、うちを紹介したんだろう?」
と感じた経験があります。
だからこそ、
紹介された求人=おすすめだから応募する
ではなく、
紹介された求人=自分で確認する候補がひとつ増えた
くらいに考えておくのがおすすめです。
担当者を通すことで情報が正確に伝わらないこともある
転職エージェントを利用すると、
求職者
↓
エージェント
↓
採用担当者
という流れで情報が伝わります。
採用側からエージェントを通して求職者へ連絡する場合は、その逆です。
間に人が入る以上、どうしてもニュアンスが少し変わる可能性があります。
実際の面接で、
「エージェントから聞いていた内容と少し違うな」
と感じることもあります。
大事な勤務条件や仕事内容については、エージェントから聞くだけでなく、面接時に自分でも確認するようにしましょう。
転職エージェントを上手に使う5つのポイント
では、実際に利用するならどうすればいいのでしょうか。
採用担当としておすすめしたい使い方は次の5つです。
まずは希望職種・勤務地・給与・勤務時間・休日などを整理します。
特に「絶対に譲れない条件」と「できれば叶えたい条件」を分けておきましょう。
エージェントに登録しても、求人探しをすべて任せる必要はありません。
病院・施設の公式採用ページやハローワーク、求人検索サービスなども確認しましょう。
仕事内容・勤務時間・休日・給与・手当・福利厚生などを自分でも確認します。
エージェントから聞いた情報と違いがあれば、応募前や面接時に確認しましょう。
希望していない求人ばかり紹介されたり、応募を急かされたりする場合は、担当変更や別のサービスを検討してもいいでしょう。
エージェントには相談しても、転職先を決めるところまで任せないことが大切です。
分からないことは面接や職場見学で確認し、最後は自分で判断しましょう。
STEP5が一番重要です。
「この病院がおすすめです」
「早く応募した方がいいです」
「この条件ならかなりいいですよ」
と言われても、最後に働くのはあなた自身です。
分からないことがあれば面接で確認し、必要であれば職場見学もしたうえで判断してください。
転職エージェントには相談する。
でも、転職先を決めるところまで任せない。
この距離感が、転職エージェントを上手に利用するポイントだと思います。
直接応募と転職エージェントはどう使い分ける?
迷ったときは、次のように考えるとシンプルです。
| こんなとき | おすすめの探し方 |
|---|---|
| 働きたい病院・施設が決まっている | まず直接応募を検討 |
| まだ応募先が決まっていない | 複数の方法で求人を探す |
| 希望する求人が見つからない | 転職エージェントも活用 |
| 転職活動の時間が取れない | 求人探し・日程調整をエージェントに任せる |
| 初めての転職で不安 | エージェントに相談しながら自分でも確認 |
直接応募と転職エージェントは、どちらか一方を選ぶ必要はありません。
自分でできるところは自分で進め、希望する求人が見つからない、初めてで不安だというときにエージェントに手伝ってもらう。そんな使い分けでOKです。
まとめ|転職エージェントは「任せる」のではなく「使う」
転職エージェントは、求人探しや日程調整、転職相談などを手伝ってくれる便利なサービスです。
一方で、必ず利用しなければ転職できないものでもありません。
採用担当としておすすめしたいのは、
「とりあえず登録して全部任せる」のではなく、自分に必要な部分だけ上手に使うこと。
応募したい病院や施設が決まっているなら、まず直接応募を検討する。
自分だけでは求人が見つからなかったり、転職活動を進める時間がなかったりするなら、転職エージェントの力を借りる。
そして、紹介された求人についても自分で調べ、最後は自分で判断する。
転職活動の主役は、転職エージェントではなくあなた自身です。
うまく使い分けながら、自分が納得できる職場を探してみてください。
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