はじめに
転職活動の大きな山場となる「面接」。
履歴書や職務経歴書がどれだけ良くても、面接でつまずいてしまうと採用にはつながりません。
実際に病院や介護施設で10年以上、人事を担当してきた経験から言うと、「面接で落ちる人」にはいくつかの典型的な失敗パターンがあります。逆に言えば、そのパターンを知っておくだけで、内定率はぐっと上がります。
この記事では、人事担当者の目線から「面接でよくある失敗」と「具体的な対策」を紹介します。
面接で失敗しやすい典型的なパターン
① 遅刻・事前連絡なし
- 【人事の本音】時間を守れない人は、現場でも同じことを繰り返すのでは?と不安になる。
- 【対策】必ず15分前には到着できるように行動。どうしても遅れる場合は、人事担当者に必ず電話で連絡しましょう。メールだけでは確認が遅れることがあります。

早く着きすぎた場合、少し外で時間をつぶした方がベターです。
5分ほど前に受付を訪ねることで、「時間を守る」「相手のことも考えられる」と評価されます。
② 書類と話す内容が一致しない
- 【人事の本音】履歴書と面接で話す内容が食い違うと「信頼できない」と感じる。
- 【対策】面接前に、自分が提出した履歴書・職務経歴書を読み返すこと。志望動機や経歴を、自分の言葉でスムーズに話せるように準備しておきましょう。
③ 前職の悪口や不満ばかりを話す
- 【人事の本音】「また同じ理由で辞めるのでは?」と採用側が警戒する。
- 【対策】不満をそのまま口にするのではなく、学びや改善点として伝えるのがポイント。
例:「忙しい職場でしたが、その中で効率的に仕事を進める工夫を学びました」
④ 志望動機が曖昧・浅い
- 【人事の本音】「どこでもいいのかな?」と熱意が伝わらず、選考の優先度が下がる。
- 【対策】「その病院・施設を選んだ理由」を具体的に話すこと。
- 研修制度や教育体制に惹かれた
- 法人理念に共感した
- 通いやすさだけでなく「働きやすさ」にも魅力を感じた
⑤ 質問に対して答えが短すぎる/長すぎる
- 【人事の本音】短すぎると「やる気がない」、長すぎると「話が整理できない」と思われる。
- 【対策】「結論 → 理由 → 具体例」の順に答える(PREP法)。
例:「協調性があります。(結論)前職ではチームでの情報共有を重視し…(理由)具体的には週1回のミーティングで改善提案を行いました。(具体例)」

要は具体的な理由などを含めて誠実に答えていただければ気持ちは伝わります。
⑥ 逆質問がない、または形式的すぎる
- 【人事の本音】「本当にうちで働きたいのかな?」と感じる。
- 【対策】逆質問は必ず用意しておきましょう。おすすめは次のような質問です:
- 「入職後の研修やサポート体制について教えてください」
- 「この職種で活躍している方の特徴は?」
- 「チームで大切にしていることは何でしょうか?」
面接で失敗しないための基本マナー
- 服装・身だしなみ:清潔感が第一。派手さよりも「信頼できる雰囲気」を意識。
- 敬語の使い方:完璧でなくても大丈夫。ですが「です・ます」を丁寧に心がけましょう。
- 第一印象:入室時の挨拶、椅子に座る所作、退室時のお礼など、小さな行動が評価を左右します。
- 医療・福祉業界ならではのポイント:誠実さ、協調性、安心感を重視されます。スキルよりも「人柄」を見られていると考えてください。

ベテランの方は要注意!
人事担当者や面接を行う相手が自分より若そうだからといって、言葉遣いや腕組みなどの態度には気を付けてください。
年下の患者さんや職員に対しても同じような態度をとるかもしれないと判断されます。
それでも緊張してしまう人へのアドバイス
- 面接で緊張するのは当たり前。私たちもそれは理解しています。
- 大切なのは「完璧に答えること」ではなく、誠実に伝えること。
- 事前に「これだけは伝えたいポイント」を1つ決めておくと、焦っても軸をぶらさずに話せます。
まとめ
- 面接の失敗は「準備不足」や「ちょっとした油断」から起こりやすい。
- 遅刻・不一致・悪口・志望動機の曖昧さなど、よくある失敗パターンを避けるだけで印象は大きく改善します。
- 採用面接は「一緒に働けるかを確認する場」。
- 人事担当者は「完璧な人」を求めているのではなく、「安心して現場に迎えられる人」を探しています。
面接は怖いものではありません。
失敗パターンを押さえた上で、誠実さと熱意をしっかり伝えていきましょう。
👉 次回は、転職活動でよくある誤解 を紹介していきます。