人事が解説|直接応募が難しいときに考えたい転職エージェントの使い方

医療・福祉職の転職エージェントの使い方 応募・求人攻略
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はじめに

前回は看護師などの医療職、介護職の転職について、「直接応募が有利になる3つの理由」を紹介しました。

採用の現場で働く人事担当として、これは今でも変わらない本音です。

しかし、現実には直接応募だけではなかなか転職活動が進まない人もいます。
そこで今回は、あえて人事の立場から 転職エージェントを利用すべきケース を整理してみます。


直接応募が難しいケースとは?

非公開求人を探したいとき

特定のポジションや専門職の求人は、一般公開されず「非公開求人」として転職エージェントにのみ預けられることがあります。
たとえば看護部長などの管理職特殊な資格を要するポストなどは、病院・施設側も慎重に募集するためです。

もし自分のキャリアをより活かせる「目に見えない求人」を探したいなら、転職エージェントの利用を検討しても良いかもしれません。

ただし、「直接応募が有利になる3つの理由」をお読みいただいた方は理解していただけると思いますが、“病棟看護師”や“病院薬剤師”“施設の介護職”といった、いわゆる一般職の募集について転職エージェントにだけ求人を公開することはありません
(少なくとも私のまわりでは聞いたことがありません。)

在職中で時間が取れないとき

仕事を続けながら転職活動をするのは大変です。

  • 履歴書/職務経歴書の作成
  • 面接日程の調整
  • 入職日の調整 など

こうした手間を転職エージェントが代行してくれるのは、忙しい方にとって大きなメリットです。

通常であれば病院・施設の人事担当者と連絡が取れない時間であっても、転職エージェントの営業担当者は対応してくれます。

転職エージェントから「この後、20時から看護師さんとアポ取ってます」と言われると私たちも頭が下がります。

転職活動の進め方に自信がないとき

自己分析がうまくできない
そもそもどんな求人を探せばいいのか分からない

そんなとき、転職エージェントによるキャリア相談は有効です。
特に初めての転職活動やブランクがある方は、客観的なアドバイスを受けることで一歩を踏み出しやすくなります。

転職エージェント利用のデメリットも理解しておこう

採用側に紹介料が発生する

前回も触れましたが、転職エージェント経由の採用には大きなコストがかかります。
そのため採用側は「せっかく費用をかけるなら即戦力を採りたい」と慎重になります。
つまり、直接応募に比べて採用のハードルが上がる場合があるのです。

早期退職されたときは多少の返金がありますが、雀の涙ほどしか返ってきません。

希望と違う求人を勧められることもある

転職エージェントの営業担当者の評価は「転職数(紹介料)」で決まることが多いです。
そのため「とりあえず決まりやすい求人」を強めに勧められるケースもあります。
結果的に本人の希望とかけ離れた求人を提示されることもあるので注意が必要です。

「なんでこの考え方の人をこの施設形態に紹介したの?」と思ったことも一度や二度ではありません。

情報がフィルタリングされるリスク

転職エージェントを介すると、病院・施設からの情報がすべて本人に届くとは限りません。
営業担当者によって「この部分は言わなくてもいいか」と判断することがあり、
最終的に「思っていた職場と違った」というミスマッチにつながる可能性があります。


人事担当者としての本音アドバイス

まずは直接応募を優先、それでも難しいときに補助的に使う

基本スタンスは変わりません。

「まず直接応募で動く」 のがベスト!

ただ、どうしても進まない場合に補助的に転職エージェントを活用するのは合理的な選択肢です。

複数の転職エージェントを併用すると情報が広がる

ひとつの転職エージェントに頼ると情報が偏ります。
2〜3社に登録して比較することで病院・施設のそれぞれの意見を聞いて比較してみても面白いかもしれません。
転職エージェントによって紹介される求人も多少違ってくると思います。

依存しすぎないことが大事

転職エージェントは便利ですが、あくまでツールです。
自分の意思決定まで丸投げしてしまうと、ミスマッチや後悔につながります。
相談はするけど、最終判断は自分で」——これが後悔しない転職の鉄則です。


まとめ

  • 転職エージェントを補助的に活用するのがベスト
  • 「在職中で時間が取れないとき」「転職活動の進め方に自信がないとき」に転職エージェントは便利
  • 利用するときは注意点、デメリットを理解する
  • 依存せず、自分の意思で判断することが大切

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